苦手意識はどこから生まれる?
人間関係で悩んでいる時期は、
「あの人が苦手だ」
「どうしてあの人こんなにひどい言い方をするんだろう」
と、相手の言動ばかりが気になるもの。
ところが・・・
時間がたってから改めてその人に接すると、
「あれ? 思ってたほど嫌な気分にならない」と感じることがあります。
その場合、相手は以前とほぼ変わっていないことが多く・・・自分の「苦手意識」だけが薄れていく・・・という現象。
家族、友人、パートナーなど・・・人によって対象となる相手は違いますが、
久々に会ったら「意外と気にならなかった」という現実。
相手の言動も性格もほぼ昔のままなのに・・・なぜこんなことが起こるのでしょうか?
昔は「苦手」だった人を「今は平気」と感じる理由
当ルームでも、お客様からこのようなお話を時々耳にします。
昔から親と折り合いが悪く、家を出てからはあまり実家に帰らないようにしていたけど・・・
避けれられない用事で仕方なく帰ったとき・・・嫌な気持ちになるのを覚悟してたけど、
親は昔と変わらず、あれこれ言ってきたけど・・・意外と平気だった。
とか・・・
昔のパートナーと付き合っていた頃は「二度と顔も見たくない」と思い別れたけど・・・
偶然再会して会話する機会があったけど、相手は相変わらず。
それなのに、今はそうは思わない。当時本当に相手はひどかったのだろうか?
とか・・・
近所に住んでいたから小さい頃からよく一緒に遊んだけど、実は苦手だった友達。
同窓会で再会してみたら、相手は昔のままだったけど・・・なぜか苦手意識が消えていた。
などなど・・・
相手は昔とほぼ変わらないのに、自分の感想は昔とは違う。
昔とは「自分の感じ方」「受け止め方」が変わったことで起こる現象ですが・・・
そもそも、「苦手」という感情は、「相手」の問題ではないということ。
苦手だった理由の多くは、実際は「当時の自分の状態」にあります。
その頃の自分に心の余裕がなかった
忙しさ、不安、焦りなどから・・・心に「ゆとり」がないと、他人の言葉や態度が攻撃的に感じられたり、ネガティブな受け止め方をすることがあります。
- あの時の一言がキツく感じた
- 本人にとっては大したことなくても、ちょっとした態度で嫌な気持ちになった
これらは当時の自分の「心の負荷」が影響しています。
自分に厳しかった時期は、他人にも厳しくなる
「こうあるべき」
「普通はこうするでしょ」
という思考が強かった頃ほど、人を評価しがち。
もし今、それがなくなっているなら・・・頑なさから抜け、「柔軟性ができた」ということです。
自分のコンプレックスが反応していた
人は自分の中にあるものを他人に見て反応すると言われますが・・・
たとえば、
- 自由な人を見るとイラッとくる → 自分も自由にしたいけどできなかった
- 堂々と意見を言う人が苦手 → 本当は言いたいけど言えなかった
- 不器用な人が嫌 → 自分の中にもある不器用さを認めたくなかった
など・・・・
「自分もやりたかったのにできなかったこと」をやっている人に対して感じることや、
「自分の中にあって認めたくない部分」を相手の中に同じものをみたときに感じることなど・・・
コンプレックスが刺激されることで、不快な気持ちになるケースは非常に多いです。
そして、多くの場合・・・
それは自分の中の問題ではなく、「相手に問題がある」と認識してしまう。
昔とは見え方が変わったとしたら・・・それは、自分を認め・許せるようになったから。
相手ではなく・・・「自分の成長」によって苦手意識が消えた可能性が高いということ。
苦手意識が薄れるのは「成長のサイン」
昔は反応していたポイントに、今は反応しなくなる・・・。
これは、自分の中に人の未熟さやそれぞれの違いを受け止める余裕ができた証拠でもあります。
- 他人に過度な期待をしなくなった
- 人それぞれ価値観の違いを認められるようになった
- 「相手の問題」と「自分の問題」の境界線がわかるようになった
- 感情が引っ張られなくなった
- 自分も含め、人の弱さや未熟さを許せるようになった
このような変化は、人生の中の様々な出来事の中で自分が成長することで起こります。
昔は「嫌い」と思っていた人を今見ると・・・
「あの時の自分は敏感すぎただけだった」と思えるのも、当時から自分が「変わった」証拠です。
相手の言動の「意味づけ」が変わると、見え方も変わる
たとえ同じ言葉でも、「自分の状態」によって受け取り方は大きく変わります。
- 昔→「責められてる」気がした
- 今→ただのひとつの「意見」に感じる
- 昔→相手が「冷たく」感じた
- 今→ただ「不器用なだけ」だと思う
たとえ同じ人に同じ言葉を言われたとしても・・・自分の心の状態ひとつで、受け取り方も変わります。
自分が成長すると、人間関係はラクになる
昔は苦手だった人を普通に見られるようになった時、内面ではこんな変化が起きています。
自分と他人を切り離して考えられるようになった
「相手の問題」を「自分の問題」として受け取らず、距離感が適切に取れるようになったり・・・
また逆に、「自分の問題」を「相手の問題」にすり替えることがなくなります。
人の言動を深読みしなくなる
「どういう意味?」
「え?私が悪いの?」
「私気づかないうちになんかしたかな・・・」
という思考が減り、ただの「事実」として受け取れるようになる。
私も特に若い頃、このような状況に心当たりがあります。
相手の言動を深読みしすぎて・・・あーでもないこーでもないと、被害妄想していました😔
「自分が原因で相手を不快にさせてしまった?」と思ったとしても、実際はそうではないことの方が多い。
「 昔の自分」と「今の自分」の違いに気づけたら、成長の証
私も自身も経験があります。
学生時代、辛口な発言で上からモノを言う「苦手」な人がいましたが、卒業してからは接点がほぼなくなり・・・
共通の友人を介して大人になって再会しまたご縁ができましたが、その頃にはもう苦手意識が消えていました。
しかし、相手は「相変わらずだな」と思えるほど、当時と言動が変わっていません。
当時の私が過剰に相手の言動に反応して、勝手に苦手意識を感じていただけ・・・ということに、気づきました。
当時の自分が非常に未熟な思考だったことに、気づかされた瞬間でした。
辛口なのも上からモノを言うのも、今ならそこに本人の「弱さ」が見え・・・それもまた、人間らしくてスッと受け止めることができました🤔
人間関係の見え方が変わるときは、自分の変化に気づく大きなチャンス。
- 昔より心が軽い
- 相手に腹が立ちにくい
- 些細なことで動揺しなくなった
- 自分も他人も「完璧じゃなくていい」と思える
これらは、自分が成長すると起きる変化です。
相手が変わったわけではなく、変わったのは「あなたの内面」です。
かつて苦手だった人が「ただの一人の人間」として見えるようになったなら、着実に前に進んでいる証拠。
それは「今」も同じで・・・もし今、苦手な人や引っかかる人がいるとしても、成長を重ねれば将来的に見え方が変わる可能性も大きいでしょう。
人でも何でもそうですが・・・「苦手意識」が生まれるときは、それを乗り越え成長するチャンスですよ🙂










