完璧主義に潜むデメリット
「やろうと思っていたことが、なかなか始められない」「気づいたら、何ヶ月も先延ばしにしてしまっていた」
あなたはそんな経験はありませんか?🤔
実はこれ、単なる怠けグセではなく、心の中にある「見えないブレーキ」が原因であることも多い。
さらに厄介なのは、ひとつのブロックを取り除いても、また別の理由が浮上しなかなか前に進めないということ。
このようなループに陥っている方に共通しているのが、完璧主義思考です。
完璧主義が行動を止めるのはなぜ?
完璧主義の人は、物事に取り組む前に「理想の形」を思い描きます。
そして、その理想に少しでも届かないと「まだまだ準備が足りない」「もっと学ばなきゃ」と、延々と準備や学習を続けてしまいます。
その結果、「行動すること」よりも「失敗しないこと」が目的になってしまい、いつまで経っても一歩が踏み出せないということが起こります。
本人は真面目で努力家であることが多く、頭の中でシミュレーションするのが得意。
しかし、そのシミュレーションを完璧にしない限り、動けない。
つまり、一見準備しているようでいて、本当は行動から逃げている状態になってしまうのです。
完璧主義の実例
私が会社員だった頃、印象に残っているAさんという人がいました。
Aさんは、新しい業務として「人に伝える仕事」に取り組むことになりました。苦手分野だったにもかかわらず、真面目にしっかりと準備をしていました。
ただし、Aさんの準備は自分がミスをしないための練習ばかり。マニュアルを一言一句覚え、間違えないように何度も繰り返す。
一方で、同じ業務に取り組んでいた他のメンバーは「相手にどう伝わるか」「何を知りたいのか」に焦点を当て、必要な知識だけを押さえて本番に臨んでいました。
結果として、お客様の満足度が高かったのは後者のメンバーたち。
Aさんは「自分がうまくやれたか」にしか意識が向いておらず、「相手の反応」や「伝わったかどうか」は二の次になっていたのです。
完璧主義がもたらす、本当のデメリット
Aさんの例でいうと・・・どんな場面でも完璧主義が発動し、失敗したくないため動きが鈍く、相手からどう見られるかを気にしているため人とのコミュニケーションも苦手。
それに加え、プライドは高く頑固で思い込みが強いという状態でした。
Aさんもそうですが、完璧主義は自分を守っているように見えて、実は以下のような大きなデメリットがあります。
- 行動が遅くなる、あるいは行動できなくなる
- 周囲とのコミュニケーションが噛み合わない
- 自分の基準に縛られて、他人の視点を取り入れられない
- 頑張っているのに結果がついてこず、自己肯定感がさらに下がる
- 周囲からの助言に耳を貸さなくなり、孤立しやすくなる
Aさんも、自分では「ちゃんとやっている」という自負がありましたが、その頑張りはすべて自分の中の完璧のため。
その結果、仕事では顧客離れが進み、周りとの人間関係も距離ができるようになりました。
自分が完璧主義であることに気づかない人が多い
厄介なのは、多くの人が自分の完璧主義に気づいていないことです。
「私はただ慎重なだけ」「まだ自信がないだけ」と思い込んでしまい、自分を縛る思考パターンから抜け出せずにいます。
もしあなたが、「いつも準備ばかりして前に進めない」「努力しているのに報われない」と感じているなら・・・
もしかしたらその原因は、完璧主義かもしれません。
まずは、「完璧でなくてもいい」と自分に許可を出すことが、前進への第一歩です。

完璧主義を手放すための具体的な方法
完璧主義を手放すのは簡単なことではありません。
なぜなら、それは長年にわたって築いてきた思考のクセだからです。
でも、そのクセは意識的に変えていくことができます。
以下に、完璧主義を手放すための具体的なステップをご紹介します🙂
1. 「完璧でなくても価値がある」と認識する
まずは、完璧でなくても十分に価値があるという視点を持つことが大切です。
たとえば、「途中でもいい」「未完成でも出してみよう」と、自分に許可を出してみてください。
最初は不安に感じるかもしれませんが、実際にやってみると「意外と大丈夫だった」「反応が良かった」という体験を通して、少しずつ考え方が変わっていきます。
そもそも、なぜ完璧でないといけないのか?
9割だったらどうなるのか?
7割だったらどうなるのか?
これを考えていくと、完璧主義にこだわる必要がないことに気づくかもしれません。
2. 6割でOKとする「ゆるい基準」を設定する
完璧主義の人は100点を目指しがちですが、それではいつまで経ってもゴールにたどり着けません😔
そこで、「とりあえず60点でいい」と基準を下げてみましょう。
これは手を抜くということではなく、効率よく行動するための柔軟な考え方です。
私も以前は完璧主義の傾向がありましたが・・・それに気づいてからは、自分で自分を苦しめていたことに気づき、「なんでも6割できたらいいじゃない」と思うようになり、とにかく行動にうつすことをしてきました。
よく理解してなくても、まず知った通りにやってみる。
知識を完璧に覚えようとせず、なんとなく理解したらすぐ実践する。
できないかもしれない・・・と思っても、やってみないと「できるかどうかを知ることすらできない」と思い、やる前から「できない」と言う事をやめた。
これらを繰り返しているうちに、自分に対しての基準がゆるくなり、選択肢も増えたし結果を伴うことも増えました😊
3. 失敗を「データ」と捉える
完璧主義の背景には「失敗=悪いこと」という思い込みがあります。
しかし、失敗は成長のための大切な「データ」であり・・・うまくいかなかったことがあれば、「次はこうすればいい」というフィードバックとして活用するのがおすすめです。
失敗を恐れるのではなく、「情報収集」として前向きに受け止めてみてください🙂
ちなみに、以前は私も「失敗」を恐れていましたが・・・
うまくいかなかったことって、自分が「失敗だー!」と思うだけで、単なる体験です。
うまくいったことも、いかなかったことも、どちらも自分が体験したこと。
そこに、良い・悪いの意味づけをするから、失敗=悪いことというイメージがつくのかもしれません🤔
4. 小さなチャレンジを積み重ねる
いきなり大きな変化を起こそうとすると、完璧主義のクセが強く出てしまいます。
まずは小さなチャレンジから始めましょう。
- とりあえず行動してみる
- 完成度がたとえ50%でも、人に見せてみる・表に出してみる
- 準備に時間をかけすぎず、準備しながら実践も並行する
このような「小さな挑戦」を日々重ねることで、行動するクセが身についていきます。
5. 周囲と比べない
完璧主義の人は、他人と自分を比べて劣等感を感じやすい傾向があります。
しかし、もともと人それぞれ環境も考え方も行動も違うもの。
他人の成果は、その人なりの背景や努力の積み重ねの結果であり、それはあなたとは関連ありません。
他人のことより、今の自分にできることに集中することが、ブレない軸を育てることに繋がります。
完璧主義は手放せる思考のクセ
完璧主義は、真面目で頑張り屋な人ほど陥りやすい思考グセ。
しかし、それに縛られすぎると行動できなくなり、自分自身を苦しめてしまいます。
そもそも、完璧である必要はありません。
むしろ、「ちょっと抜けてるくらいが人間らしくていい」と思えるようになると、心が軽くなり前向きになります。
まずは、完璧じゃない自分にもOKを出すことから始めてみましょう🙌
完璧主義を手放すためのセルフチェックリスト
完璧主義をゆるめるためには、まず「自分がどんな傾向を持っているのか」に気づくことが第一歩です。
チェックリストで、自分の思考のクセや改善ポイントを見つけてみましょう🙂
思考のクセをチェック
□「まだ準備が足りない」と感じ、なかなか行動に移せない
□ 失敗したくないから、やらないことがある
□ 他人と比べて自分を責めやすい
□ 他人に「ちゃんとしてるね」と言われることが多い
□ 何かに挑戦する前に、頭の中でシミュレーションを繰り返すだけで終わってしまう
□ 実践よりも、知識や学びを増やしたい
□ 自信がない
□ 他人からどう見られるのか気になる
□ 他人からどう言われても、自分が納得しないと動けない
当てはまる数が多いほど、完璧主義思考が強い傾向があります。
次は、その思考をゆるめるための行動リストです🙂
完璧主義をゆるめる行動チェック
□ 6~7割の仕上がりでも「よし」言うクセをつける
□ 未完成でもとりあえず表へ出してみる、誰かに相談する
□ 頭でシュミレーションを繰り返すより、とりあえず行動する
□ 「失敗」はただの体験であり、「学び」の材料にする
□ 他人の目は気にせず、自分がやるべきことに焦点を当てる
□ 周りの人の「ゆるい部分」に目をむける
□ 「完璧じゃなくても大丈夫」と思うクセをつける
全部を一気に変えようとすると、かえって完璧主義が顔を出すことも。
まずは気になった項目を1つ選んで、小さな一歩から始めてみてください。
行動すればするほど、「完璧じゃなくても前に進める」という体感が増えていきます。
自分を少しずつゆるめていくことで、気づけば生き方そのものが軽く、自由になっていきますよ🙌