「あの人はおかしい」と感じたとき、私たちは何をすべきか
人と関わっていると、「え? その言動どうなの?」と違和感を抱く瞬間があります。
職場でも、家庭でも、友人関係でも、価値観の違いから「モヤっとする」場面は誰にでもありますよね。
違和感を抱いた瞬間、
- 「あの人はおかしい」
- 「それはやるべきじゃない」
- 「非常識だ」
「モヤっとする」に続いて、こんな感情が出てくることもよくあること。
しかし、「おかしい」「~すべきではない」「非常識」・・・それは本当にそうでしょうか?
本人から見た「非常識」は、相手から見たら「普通」かもしれませんし・・・第三者が見たらまた違う見方が出てくることもあります。
違和感に本来「正解」などなく・・・
問題は、「違和感」を感じることではなく・・・違和感に対して、自分はどうするか?
ここで、どんな現実になるかが分かれていきます。
違和感を「相手がおかしい」で終わらせる人の共通点
私が様々なケースを見ていて感じるのは、
違和感=相手が悪い
違和感=相手を変えたい
と考える人は、必ずと言っていいほど人間関係のトラブルを起こしやすくなります。
具体的には、
- 相手をシャットアウトする
- 相手に改善を要求する
- 周りの人を巻き込んで相手を変えようとしたり、周りの人にも改善を要求する
- 自分は正しいと思っているので歩み寄る気がない
たとえ本人にそんな気がなくとも・・・
「自分の価値観に合わせてほしい」
「自分が快適になるように相手を変えたい」
と言っているようなもの。
しかし、この方向性では人間関係はうまくいきません。
本人は「相手がおかしい」と思っていますが、周囲から見ればただのトラブルメーカーになってしまうことさえあります。
職場やプライベートで「同じ問題」を繰り返している人たち
私がよく見かけるケースでは・・・
職場で人間関係に問題が起きている人は、プライベートでも同じようなパターンを繰り返しています。
たとえば、
- 会社で意見が合わない人を徹底的に避ける→プライベートでも「合わない」と感じた人を目の前から排除しようとする
- 職場で相手に変化を強く求める→恋人や家族にも「こうあるべき」と押し付ける
など・・・
本人は、「仕事」と「プライベート」では環境が違うから「全く別の問題」だと思っているのですが、
実際、この状況の根底にあるものは・・・ 同じジャッジグセや反応パターンを繰り返している だけということも少なくありません。
このような「自分のクセ」に気づけないままでは、どれだけ環境を変えても、どれだけ新しい人間関係を作っても、結局は同じ問題にぶつかります。
実際、当ルームでも・・・「現状を良くしたい」と思ってセッションや講座を利用するのに・・・
「自分のクセ」に気づきながらも、改善しないから現状が良くならず・・・
仕事でもプライベートでも相手に違和感を感じやすいというパターンも見かけます。
人間関係がうまくいかない人の根底にあるものとは?
人間関係や日常で違和感を強く覚えやすい人の多くは、実際は ジャッジが強いタイプ です。
そして厄介なのが、
ジャッジが強い人ほど、自分がどれだけジャッジしているかに気づかない
ということ。
これは本当にセッションや講座でも頻繁に見かけます。
現状で抱えている問題について、「ジャッジが強いのが原因なのかも」と気づいても・・・
次回にはまた別のシチュエーションで同じパターンを繰り返している……こんなケースは珍しくありません。
そのため、当然現実も変わりません。
いつも誰かを攻撃していることに、本人はいつまでたっても気づきません。
そして、それがもとで何度も同じパターンを繰り返していることも・・・。
違和感を「成長」につなげる人はどこが違う?
違和感は本来、自分が何を望んでいるのか?どうしたいのか?を教えてくれるもの。
自分の価値観や課題・無意識の反応パターンを知るための大切なサインでもあります。
同じく違和感を感じても成長していく人は、どこが違うのでしょうか?
- 「なぜ私はこう感じたんだろう?」と自分に問いかける
- 相手を変えようとする前に、自分の反応を観察する
- 過去の経験・思い込みが影響していないか探る
- 相手の価値観や背景を想像してみる
- 違和感=「相手が悪い」ではない、と理解している
成長する人は、違和感を通して自分の内面に目を向けれる人です。
違和感を「自己成長」に変えるために
「自分は何に反応したのか?」を明確に言語化する
相手に対して・・・
「なんかムカついた」
「なんか嫌だった」
「なんか変だ」
「~すべきではない」
と感じたことをスルーすると・・・感情は必ず「相手」に向かいます。
- “何”が嫌だったのか?
- “どの言動き”に反応したのか?
- “何をされた気がした”のか?
これを言語化してみましょう。
当ルームでも、よくこれをお客様にやってもらいますが・・・
ほとんどの場合、たとえば違和感を感じた相手がAさんだったとしても・・・
自分の内側にあるものを言語化していくと、相手がたとえばBさんでも、Cさんでも、同じように感じるのです。
しかし、本人的には「Aさんがいけない」と思っていますが・・・
その「いけない」と思う違和感を深く掘り下げていくと、Aさん=悪ではない・・・ということに気づきます。
相手を変えようとする前に、「自分」を探る
違和感には必ず原因があります。
- 子どもの頃の経験
- 過去のトラウマ
- 無意識に持っている価値観
- 強い思い込み
など・・・
「怒りポイント」が人によって違うのは、人によって人生どう生きてきたか・どんな環境だったかが違うから。
だからこそ、自分の過去と今の反応がつながっているのでは?
と問いかけることが大事です。
ちなみに、過去の私もこれをやってみましたが・・・上記で挙げた例すべてが関係ありました🤔
過去のことはこれらがきっかけで思い出せることはあっても・・・「無意識に持っている価値観」は、「無意識」なだけあって、「自分がそんな価値観を持っている」ということにすら気づけません。
だから、すごく意識して普段の自分の思考や行動を観察しないことには・・・なかなか直せないんです。
私の場合、「無意識に持っている価値観」の多くは・・・周りから見聞きした情報がもとになっていました。
「自分は正しい」という思考をいったんやめる
ハッキリ言ってしまうと・・・「自分が正しい」と思い込んでいると、人間関係はこじれます。
なぜなら、
- 歩み寄らない
- 相手も自分も傷つく
- 解決ではなく「勝ち負け」を重視する
から。
自分の中にある「正しさ」に気づき手放すと、心は楽になり・・・相手に対しての感じ方も変わってきます。
ジャッジグセが強い人は、「正しさ」が自分自身も苦しめ相手のこともフィルターをかけて見ていることが多い。
相手は変えられない、でも自分も尊重する
違和感を「我慢しろ」という意味ではなく・・・
違和感を感じた相手を「無理して好きになる」必要はありませんが・・・本来は「嫌う」必要もないのです。
相手に違和感を感じても・・・違和感を感じた原因を「自分の中」に探し出し・・・
相手の領域を侵害せずに、自分の領域も守る
自分の価値観があるように、相手にも本人の価値観があるのです。
これに気づかず、「自分が不快だから、相手や周りに●●してほしい」と思う人も多いですが・・・
それを続けている限り、成長もしないし・・・仕事やプライベート、付き合う相手が変わっても、環境が変わっても、どんな場面でも・・・同じパターンを繰り返します。
「変わりたい」と言いながら、変われない人の特徴
これはセッションでも本当に多いのですが……
- 言われたら、自覚はある
- でも、思考や行動を変えられない
- だから、どこへ行っても何をしても同じことを繰り返す
この3ステップのループの人が非常に多い印象。
「現状を変えたい」と言いながら、
「今までの自分の反応パターン」を変えない限り、何も変わりません。
違和感は「相手を攻撃するため」ではなく、「自分を成長させるサイン」だと捉えることで・・・人生は変わります。
- 違和感から、「相手」に意識がいく → 人間関係のトラブル・停滞・繰り返し
- 違和感から、「自分の内面を見つめる」 → 成長・人間関係の改善・現実の変化
この違いです。
あなたがもし、
「言われてみれば・・・どんな場面でも、いつも相手に感じる感情や嫌なポイントが同じ気がする」
「どうしても、こんな人にイラっとしてしまう」
でも、変えていきたいと本気でと思うなら……
それは本来、「変わる準備ができている」状態でもあります。
しかし、変わる「準備」だけではなく・・・「実行」しないと意味がない。
相手に「違和感」を感じたら・・・
「また相手に意識を向けてしまった自分がいる」ことに気づき、「自分に意識を向ける」に変えていきましょう🙌










