仕事がしんどいと感じる本当の理由

仕事がつらく感じるのは、環境のせい?

日頃いただくご相談の中に、「仕事がつらい」というテーマがあります。

中でも、「つらい」と感じているにも関わらず・・・

・特別ブラックな職場というわけではない

・人間関係もそこまで悪くはない

・仕事内容も嫌いではない

でも、それなのに・・・なぜか仕事がしんどい。

疲れやすい、気持ちが重い、なんだかやる気が湧かない。

こんなとき、多くの人は

「年齢のせい」「甘え」「気のせい」

・・・と、自分の中で「きっとこうに違いない」とスルーしてしまう。

実はこの感覚は、単なる疲労や年齢によるものではなく・・・

「本来の自分」と「現実」のズレが表に出てきたサインであることも多いのです。

仕事の違和感は、自分を後回しにしてきた結果かも・・・

「仕事がつらい」という人に共通しているのは、

「こうあるべき」とか「求められる自分」を優先してきた・・・という点。

  • 期待に応える

  • 空気を読む

  • 迷惑をかけない


など・・・このような姿勢は社会では評価されやすく、本人も「正しいことをしている」という感覚があります。

しかし同時に、

「自分は本当はどう感じているか?」を確認する機会がどんどん減っていきます。

自分の気持ちを無視したまま働くと起きること

自分と向き合わずに働き続けると、

ある時から次のような変化が出てきます。

  • 以前より疲れやすくなる

  • 小さなことで気持ちが揺れる

  • モチベーションが下がったまま戻らない

これは、年齢のせいでも能力低下でもなく・・・自分の内面の状態が表にあらわれていることも多い。

「もうこれ以上、自分の本当の気持ちを置き去りにしないでほしい」

という、自分の心からのサインとも言えます。

ここで、実例をひとつ紹介します。

Aさんは20代後半で、同期社員よりも一歩進んだ立場にいました。

仕事内容自体に特に不満はなかったし、その会社に転職する前の職場よりも勤務形態もお給料も良かったので、おおむね今の会社に満足していると思っていました。

それなのに・・・最近なぜだか仕事がつらく感じる・・・。

疲れのせい?

なんだかやる気も起きない・・・。

自分の能力が下がったんだろうか?

自分の中で、そんな風に思っていたそう。

しかしある日、理由もなく朝起きるのがつらくなり・・・会社に行けなくなりました。

そのとき、「もう頑張れない」と感じたそうです。

話を聞いていくと、

Aさんは実は・・・仕事やプライベートのあらゆる場面で「我慢」と「プレッシャー」を感じていました。

母と二人暮らしで、収入はAさんが頼り。

仕事でも家庭でも、Aさんの立場は自分が先導していかねばならない状況でした。

「こうしなければならない」

「自分がしっかりしないと・・・」

しかし、あらゆる我慢やプレッシャーの部分が大きすぎて・・・

「本当は自分はこうしたい」

「本当は自分はやりたくない」

という「本音の部分」を誰にも言うこともできず、自分の中で「なかったこと」にして消化したつもりでいました。

本人が感じていた「疲れ」や「能力低下」が原因ではなかった、という例でした。

仕事を通して見えてくる「本当は嫌だったこと」

仕事の中で感じる違和感に目を向けると・・・

意外な本音が見えてくることがあります。

例えば、

  • 仕事内容より「常に気を遣う関係性」がつらい

  • 忙しさより「自分の意見を言えないこと」が苦しい

  • 責任より「期待に応え続ける役割」が重い

など・・・これらは今まで自分の感情を抑えてきた証拠でもあります。

仕事は、

「自分がどんな人間か」

「何を大事にしているか」

・・・が浮き彫りになる場所でもあります。

自分と向き合うとは、「深く考え込むこと」ではない

仕事がつらいと感じた時、自分と向き合うことで状況が変わることもよくあります。

「自分と向き合う」という言葉に、重たさや難しさを感じる人も多いですが・・・

実際は、

  • 今、何がつらいのか?

  • 何を我慢しているのか?

  • 本当はどうしたいのか?


このような「問い」に、正解を出そうとせずに、気持ちに正直になること。

すぐに「答え」を出す必要もなく、「自分はこうなんだな」と気づくだけで十分な場合も多いのです。

ここでもうひとつ、例を紹介します。

Bさんも、「仕事がつらい」と感じているひとりでした。

その理由を知るために自分と向き合おうとしたものの・・・

「自分と向き合うって、何をすればいいかわからない」と当ルームにお越しになりました。

そこで、「仕事で最近いちばん嫌だった瞬間は?」と聞いてみました。

最初は言葉が出てきませんでしたが・・・

「急な頼まれごとを、嫌だったのに断れなかったとき」と、ぽつりと言いました。

それに気づいてからは、Bさんは「あ、私はここで我慢しやすいんだな」とか「こんなことが嫌だと感じるんだな」と

認識できるようになりました。

「自分と向き合う」ということは・・・Bさんのように、日常のささいな出来事でも違和感を感じたときは、

「なぜ、そう思ったんだろう?」と自分に問いかけて、「気づくこと」が重要です。

仕事の違和感は、自分と向き合うタイミング

日常的に行う仕事での違和感は、「これまでのやり方を微調整しよう」というわかりやすい合図でもあります。

たとえば・・・

  • 頑張り方を変える

  • 関わり方を変える

  • 自分の優先順位を見直す


など・・・

これらの変化は、仕事だけではなく、人間関係や生き方全体に影響します。

仕事のつらさは、自分を知る入り口になる

仕事がつらいと感じるとき、

それは単なる不調ではなく自分と向き合うタイミングが来たというサインかもしれません。

過去の私もそうでしたが・・・

自分では「仕事がつらい」と思っていても・・・自分と向き合って深堀りしていくと、

「仕事」に限らず、「恋愛」や「人間関係」など人生のあらゆる場面に、

「つらい」理由が共通していたことに気づきました。

私の場合、「仕事」を通じてそれに気づき・・・

「仕事」を通じて改善していくことで・・・

「仕事」のみならず、「恋愛」や「人間関係」の状況も好転していった・・・という経験があります。

こんな風に、あらゆる場面で感じるしんどさの原因の元が同じなら、

そこに気づいて変えていけば、現状は変わっていきますよ。

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