理想と現実のギャップ
人生の転機で自分にとって大きな決断をしなければならないタイミングが訪れているけど・・・
自分の理想と現実のギャップに悩んでいる・・・
こんな様子を見かけることがあります。
たとえば・・・
「こんな職場だったらいいのに」
「理想の結婚生活やパートナーシップはこうあるべき」
「人生はもっと充実しているはず」
などなど・・・誰しも理想を持つのは自然なことですが、その理想と現実のギャップにばかり目を向けてしまうと・・・
心が満たされず、どんな状況にも不満や行き詰まりを感じてしまいます。
なぜ「理想と現実のギャップ」があることで苦しくなるのか?
理想が高すぎて、現実を否定してしまう
「理想どおりの職場や人間関係」「完璧なパートナー」「ストレスのない人生」など・・・
現実には存在しない理想を追い求めると、「今あるもの」を受け入れられなくなります。
婚活がわかりやすいですが・・・
「自分が相手側に選ばれる」ことはさておき、自分が希望する相手の理想像が高すぎる・・・というケース、私も今まで何度も目にしてきました。
「こうあるべき」「これが普通」という自分の中の理想が・・・現実では高水準であるということも珍しくありません。
そんな基準を満たす人はほぼいないし・・・いたとしても、自分は選ばれないかすでにパートナーがいて婚活現場にはいない・・というのが現実。
しかし、現実を受け入れられず・・・婚活がうまくいかない。よくあるパターンです。
「 比較」という視点にとらわれてしまう
SNSや周囲の人と自分を比べて「自分はまだ足りない」と感じることも、理想と現実のギャップを広げてしまう原因のひとつ。
等身大の自分を冷静に見ることができれば・・・比較意識は少なくなり、不足感も減っていきます。
理想を追い求め、完璧主義になってしまうことで・・・現実がうまくいかないという例は山ほどあります。
不足しているものよりも、すでに持っているものに目を向けることが重要です。
「こうあるべき」に縛られる
「理想の職場や人間関係はこうあるべき」「結婚生活やパートナーシップはこうあるべき」といった固定観念が強すぎると、現実の人間関係や状況に柔軟に対応できなくなります。
その場合、自分自身が固定観念が強いことに気づいていないので、苦しさの理由もわからず・・・モヤモヤ、イライラすることも多い。
日頃からお客様の中にも、「こうあるべき」に縛られ苦しむ姿を私もよく見かけます。
「こうあるべき」の項目が多く、その思いが強い人の9割は、完璧主義者です。
自分だけに対して完璧主義なのではなく、他者にも同じように完璧さを求めるのが特徴のため・・・人間関係において不満や問題を抱えやすい状態になります。
私が最近お話した中で、会話の中に「こうあるべき」「普通なら〇〇しない」「こう言われたら、こう返さないとおかしい」・・・などと、誰かに対して非難している方を見かけました。
その内容のほとんどが、相手が自分が求める理想の反応をしなかった・・・という主張でした。
この方の場合、相手が自分の理想と違う対応をしてくることで・・・相手に自分の理想論を押し付けて怒りをぶつけ、相手から嫌われる・・・ということをずっと繰り返していました。
本人的には、「相手が悪い」「自分は悪くない」が基本なので・・・常に不平不満を言っています。
こんなふうに自分のみならず、相手にも理想を押し付けることで・・・二重に苦しむ人もいます。
ギャップに振り回されないためにできることは?
理想は「目標」、現実は「学び」としてとらえる
理想を持つことは、ステップアップするための原動力になりますが・・・
理想を、現実と比べて足りない部分をクローズアップしてしまうと、苦しみが増えてしまいます。
たとえば、
「もっとお金があれば・・・」「もっと良いパートナーだったら・・・」「もっと理解ある上司や職場だったら・・・」
・・・と、現状を否定ばかりしていると、不満が募り自己肯定感もどんどん下がっていきます。
そこで大切なのは、
現実を不足対象としてとらえるのではなく、学びだととらえることです。
うまくいかない経験や思い通りにならない状況は、存在して当たり前。
この経験は、「自分に必要だから・・・今、起きている」と考えてみましょう。
例えば、
- 厳しい上司に当たった → 自分の伝え方を改善したり、忍耐力を鍛えるチャンスかも?
- 思うように収入が伸びない → お金に対する考え方を見直すタイミングかも?
- 理想の結婚生活やパートナーシップとは違う → 人間関係で自分が本当に求めていることや本当はどんな関係性を気づきたいかを知るチャンスかも?
こんなふうに受け止め方を変えると、
理想とギャップを感じる現実でも、自分の成長に必要な経験・・・として、それを今後活かせるようになります。
結果として、理想と現実のギャップに振り回されにくくなります。
今ある現実の中に、わずかでも「理想」を見つける
理想と現実の差にばかり目を向けてしまうと、どうしても「足りない」「満たされない」という気持ちが強くなります。
しかし、現実の中にも・・・本当は理想に近い部分や小さな満足は必ずあります。
たとえば、
- 職場の人間関係は大変だけれど、成長のきっかけになる尊敬できる上司がいる
- 仕事は厳しいけれど、その分学べるスキルや知識が多い
- 収入は理想に届かないけれど、衣食住に困らず安心して暮らせる環境はある
- パートナーが完璧ではないけれど、一緒にいてホッとできる優しさがある
こんなふうに、小さな理想やプラスの側面に目を向けると・・・現実の中に理想の種や小さな満足感をいくつも発見できます。
「理想」は未来への希望ですが、今の日常の中にもある小さな満足や理想を見逃さないことで、心は軽くなります。
理想と現実のギャップに苦しむのではなく、理想に少しずつ近づいているということに気づいていきましょう。