選ぶ基準で未来は変わる
日々お客様とお話していると、「人生の大きな選択」を迎えている方が本当に多いと感じます。
転職、結婚、独立、人間関係の変化…。
どんな選択であっても、これからの未来を大きく左右します。
本日は、そんな「選ぶときの基準」について、私が普段から感じていることを言語化してみたいと思います。
何を基準に選んでいますか?
たとえば、AとBのどちらを選ぶか迷っているとき。
あなたなら、何を基準に選びますか?
- 好きなこと・ワクワクする方を選ぶ
- 苦手そう・辛そうな方は避けて、消去法で選ぶ
大きく分けると、人の選択の基準はこの2つです。
どちらが良い・悪いはありませんが・・・誰だってできれば「好きな方」「楽しい方」を選びたいものですよね。
しかし、ここに意外な「落とし穴」があるのです。
「自分にはこれしかない」と思い込んでいませんか?
好きなことを選ぶのは素晴らしいことですが・・・
「これしかない」と思い込んで決めつけてしまうと、他の可能性が見えなくなります。
しかも、自分にとって都合のいい理由をつけて「正当化」してしまうことも。

「好きなことを仕事にしたい」がうまくいかない理由と、本当に望む未来の選び方
「アーティストしかない」と思い込んだKさんの例
いくつか例を紹介します。
大学を卒業してから社会経験がなく、長い間ご実家で暮らしていたKさん。
いつのまにか両親が高齢になり、両親が去った後の人生について考えはじめ
「そろそろ自分も仕事をしないと」と思ったとき・・・
Kさんの頭に浮かんだのは「アーティストとして創作活動で収入を得る」という選択でした。
小さい頃から芸術が好きだったという理由もありましたが、話を掘り下げていくと・・・
以下のような思いが見えてきました。
- 会社で働くのはイヤ
- 苦手なことはしたくない
- 社会に出るのがおっくう
- 自ら「習いたい」と言って親にお金を出してもらってはじめた習い事があり、もうやめたいと思いつつ
言い出しにくくてやめられないけど「アーティストになるから」という理由をつけてやめたい
「好きだから選んだ」というよりは・・・
「やりたくないことを全部消去した結果、残ったのがアーティスト活動」でした。
しかも、これまで働いた経験がないため、「社会で働く」という現実そのものから逃げたくなっていた、という一面もありました。
「現実逃避」と「前向き」は紙一重
このように、「やりたいことを仕事にしたい」という一見前向きな言葉の裏に、
「つらいことはやりたくない」「苦労せずに好きなことで生きたい」という思いが隠れている場合があります。
もちろん、好きなことを仕事にできるのは素晴らしいことです。
しかし、もしその動機が・・・現実から逃げるためであれば、それは「前向きな夢」というよりは・・・
現実逃避の選択になってしまいます。
現実逃避の選択は、どんなに理由をつけたところで成長につながりません。
なぜなら、うまくいかないときにまた別の理由をつけて「次の逃げ場」を探してしまうから。
Kさんも実際、アーティスト活動が思うようにいかなくなると、「環境が悪い」「人脈がない」と別の理由を見つけて逃げようとしていました。

夢を叶える人は「他の選択肢」も持っている
もしKさんが本気でアーティストを目指していたなら、
「収入が安定するまでアルバイトをする」「作品を販売する仕組みを作る」など、他の方法も同時に考えたことでしょう。
この違いこそが、「逃避」か「本気」かを分けるポイントです。
「好きを仕事にしたい」
「自由な働き方をしたい」
この願いを実現できる人は・・・現実から目をそらさず、複数の選択肢を持ちながら行動している人です。
「逃げの動機」がもたらすループ
同じような例は、他にも多くあります。
情熱をもって起業したものの、資金が足りずに融資を受けることになったOさん。
しかし、その後事業がうまくいかず、追加融資を頼むことに・・・。
最初の融資の時点では、「もし思うようにいかなくても・・・たとえばWワークしたり、自分で収入を増やしてどんな努力でもして続けますし、返済も滞りなくします!」と言っていましたが・・・
いざその場面になると・・・「Wワークなんて無理」と拒否。
すでに事業主となった自分が、「どこかに雇われる側」になることによって発生する苦労を避けていたのです。
本当に情熱を持っていたなら、一時的にプライドを捨ててでも働いて資金を作ったことでしょう。
しかしOさんは、自分が努力することより「手っ取り早く誰かに助けてもらう」方を選びました。
これも現実逃避の一種です。
ちなみに当然ながら、追加融資は断られたそうです。
「結婚して会社を辞めたい」Iさんのケース
もうひとつ、婚活中のIさんの例を紹介します。
Iさんは「会社を辞めたいから、結婚したい」と言っていました。
その裏には、
「働くのに疲れた」
「働かずに夫の収入で生活したい」
「同僚がどんどん結婚して辞めていく中、自分だけが残って居づらい」
という気持ちがありました。
つまり、「結婚したい」という願いの根底には、「会社から逃げたい」という思いがあったのです。
そんなIさんは相手に対して高い収入を求めました。
しかし、Iさんは当時40代後半で婚活市場では不利な状況。
高い収入圏の相手はみな、Iさんを選びません。
いくつも結婚相談所を渡り歩いてみたものの・・・結果は同じ。
仮にいつか結婚できたとしても・・・結婚後にまた別の問題が現れたとき、また逃げたくなる。
これを繰り返すことでしょう。
現実逃避の選択を続けると・・・どうなるのか?
「逃げる」ことを選択するのは個人の自由であり、それが悪いというわけではありません。
しかし、逃げた先でまた同じようなことを繰り返すなら、それは人生がずっと進まないまま・・・ということです。
自己成長のチャンスを逃し、本当に望む未来を実現できなくなってしまう。
そして、気づけば「いつも何かから逃げている人生」になります。
「これしかない」を手放すと見えるもの
当ルームでも、「何かを選ぶタイミング」にある方が多くいらっしゃいます。
みなさん口をそろえて言うのは、「夢を実現したい」「理想の未来を生きたい」という願い。
それを叶えるためにまず必要なのは、
「自分にはこれしかない」という思い込みを手放すことです。
たとえば、好きなことを仕事にしたいなら・・・
「それ一本で生きる」と決める前に、現実的な準備や並行してできることを見つけることが大切です。
「癒しの仕事をしたい」というご相談から感じること
私のもとには、「癒しの仕事をしたい」という方も多く来られます。
カウンセラー、ヒーラー、占い師…などを目指すケースがほとんどで、「学びや準備はまだ」とおっしゃいます。
中には、「社会に出た経験がほとんどないから、癒しの仕事ならできそう」と言う方も・・・。
「できそうだからやる」ではなく、
「他にできることがない」という思い込みからの選択になっている場合があります。
そしてその根底にあるのは、「やりたい」のではなく・・・
「誰かを癒すことで、自分の存在価値を感じたい」
「承認されたい」という思いが潜んでいるケースも多いです。
本当の意味で「前向きな選択」をするために
大切なのは、どんな道を選ぶにしても・・・
「逃げたいから」ではなく「成長したいから」選ぶこと。
逃避の選択は、そのときは楽に見えるかもしれませんが・・・のちのち苦しくなります。
一方で、自己成長の選択は、たとえ大変でも・・・あとから確実に人生を豊かにします。
「好きだから」「これをやりたい」と思う気持ちは大切にしつつも・・・
その奥に「逃げたい」「楽したい」という気持ちがないかを一度見つめてみるといいかもしれません。
もし少しでも「現実から目をそらしたい」と感じたなら・・・
そのときこそ望む未来への選択肢を増やすチャンスでもあります。
選ぶ基準を少し変えるだけで、未来は驚くほど変わります。
人生もっと充実させたいなら、「逃げるための選択」ではなく、「未来を広げる選択」をしていきましょう。